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内科・小児科

内科・小児科について

身近な健康の門番として
風邪、体調不良から、高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症など、生活習慣病のフォロー、胃痛・腹痛や食欲不振など内科全般の保険診療を行います。より詳細な検査や治療が必要となった際には、すみやかに連携医療機関にご紹介いたします。何科にかかっていいかわからない症状も、医師が診察し、方針をアドバイスしますので、体の不安を遠慮なく聞いてみましょう。小児も予防接種含めご相談ください。

予防接種全般や往診、主治医意見書の作成も行っています。介護申請や認知症のご家族のことなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。

糖尿病

糖尿病とは血糖値が高い状態が慢性的に続く病態をいいます。ブドウ糖が体内に吸収されると、通常はインスリンというホルモンの作用で、エネルギーを必要としている細胞に糖が取り込まれます。ところが糖尿病になると、インスリンが足りなくなり、またはインスリンの働きが阻害され、正常に細胞に作用しなくなるために血中に糖がたまってしまい、血糖値が高い状態が続いてしまうのです。

  • 糖尿病と診断され治療を受けている総患者数は316万6,000人(厚生労働省調査・平成26年)
  • 糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人(「平成24年国民健康・栄養調査報告」)
  • 平成26年度の国民医療費は40兆8,071億円で、前年度の40兆610億円に比べ7,461億円、1.9%の増加
  • 平成27年の死因別死亡総数のうち、糖尿病による死亡数は1万3,327人

2型(後述)糖尿病そのものの自覚症状は、よっぽど症状がすすみますと、口渇・多飲・多尿・体重減少がみられますが、軽症ですと自覚症状はありません。しかし、血管が長い年月をかけ高血糖に侵されていくと、網膜症、神経症、腎症という3大合併症を引き起こし、取り返しのつかないことになります。腎症が進行すると透析が必要な状態となりますが、2014年末現在、国内の透析人口は、32万448人で、このうち、原因疾患は糖尿病腎症が11万8,081人と多く、透析患者全体の38.1%を占めています。この1年で新たに透析をはじめた患者さんの原疾患は、糖尿病腎症が1万5,809人と多く、全体の43.5%に上ります。取り返しがつかなくなる前に、上手に糖尿病をコントロールすることが大切になります。

糖尿病の種類って?

糖尿病は大きく「1型」と「2型」の、2種類に分けることができます。「1型」は日本人の糖尿病の約5%を占め、別名「インスリン依存型糖尿病」といい、インスリンを分泌する臓器である膵臓のβ細胞が、何らかの自己免疫の働きで破壊され(詳細はわかっていません)、インスリンの分泌がまったくされない病態をいいます。そのため、外からインスリンを補わざるを得ず、治療としてはインスリン療法が第一選択となります。子供のころに発症することも多く、小児糖尿病ともいわれています。

一方、残りの大半を占める「2型」糖尿病は、遺伝すなわち「糖尿病の家系」に生活習慣があいまって発症する「生活習慣病」です。食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスなどが原因となり、インスリンの分泌量が減ったり、細胞がインスリンの作用を感じなくなり(インスリン抵抗性)、高血糖状態が継続することで発症します。治療に食事、運動などの日常生活の見直しは必須で、病気の程度によって内服薬やインスリン療法を使い分けます。

これ以外の糖尿病としては、「妊娠糖尿病」「膵臓腫瘍などによるその他の原因の糖尿病」がありますが、まれです。

糖尿病=即インスリン療法?

「糖尿病といわれてしまった。もうインスリンしかないのですね・・・。」と悲観される方が多いのですが、実際はそうではありません。糖尿病の大半をしめる2型の治療法は、まず食事、運動など日常生活の見直しを行い、病気の程度にあわせて内服薬を選択します。長い間放置され、自分の体から分泌されるインスリンの働きが期待できない場合は、インスリンを外から補充して膵臓を休めてあげることが有効的なため、いきなりインスリン療法をはじめることもありますが、まれです。まず診断されたら、治療・検査の方針について、じっくりと主治医と相談しましょう。

検査の進め方

「糖尿病」「糖尿病の疑い」「耐糖能異常」といわれたら、まずは以下の検査を行います。

・採血検査 ・尿検査 ・血管年齢 ・頸動脈超音波検査 ・心臓超音波検査 ・腹部超音波検査 ・心電図検査 ・胸部レントゲン検査 ・糖負荷検査 ・合併症検査(尿検査詳細・眼底検査)

糖尿病の診断基準

それでもコントロールが悪い場合は?

なかなか日常生活の中で、忙しくて食事や運動習慣などはかえられない!あるいは、逆に日常生活からはなれて、一度リセットしたいとご希望の場合、約1~2週間(短いものは「週末のみ数日」)、糖尿病内科への「教育入院」という入院をすることもできます。療養食による食事療法、血糖測定、合併症精査、(インスリン療法中の方はインスリン量調整)を行います。

意外と知られていない?歯と糖尿病の関係

30歳以上の成人の約80%が歯周病に罹患しているといわれてますが、歯周病と糖尿病は、切っても切り離せない関係にあることをご存じでしょうか?糖尿病になると、高血糖の持続が免疫力の低下、組織回復力の低下をきたし、また口腔乾燥も加わり、歯周病を悪化、または新規の歯周病発症率を2倍に増加させるといわれています。そのため、歯周病は糖尿病の第8の合併症ともいわれています。また、糖尿病の方の歯周病が悪化すると、歯周病菌の産生するLPS(内毒素)が免疫系に刺激を与え、TNF-αという物質を介しインスリンの働きが阻害されるため、血糖のコントロールが乱れるといわれています。逆に、歯周病の治療を行うと、血糖のコントロールの改善もみられることがわかっています。そのため、糖尿病の良好なコントロールを考えたときに、歯科と医科の連携が欠かせないものとなっています。気になる歯の問題を後回しにせず、早めに歯医者さんに相談しておくこと、定期的な歯のチェックをしてもらうことが大切です。

高血圧症

最高血圧が140mmHg、もしくは最低血圧が90mmHg以上が続く場合を高血圧と呼びます。「内科にかかる病気」として初めにイメージされる、身近な病気といえます。まずは統計的にみてみましょう。

  • 高血圧性疾患の総患者数は1,010万800人(厚生労働省調査・平成26年)
  • 高血圧性疾患の医療費は1兆8,513億円。(平成26年度 国民医療費の概況(厚生労働省))
  • 高血圧性疾患による死亡数は6,726人(平成27年)内訳は、「高血圧性心疾患および心腎疾患」が3,213人、「その他の高血圧性疾患」が3,513人

ざっくりですが、高血圧を罹患される方が多く、医療費もかかっていて、高血圧が原因の死亡数も多いわけです。

高血圧症のガイドラインが更新されました

日本高血圧学会から、5年ぶりの改訂となった「高血圧治療ガイドライン2019」が発表されました。本ガイドラインで示された「高血圧」の基準値は従来通り、診察室血圧:140/90、家庭血圧:135/85でありましたが、今回あらたに「正常血圧」として120/80未満が設定され、降圧目標に関しましてはより厳格になりました。75歳未満は診察室血圧で130/80未満(家庭血圧125/75未満)、糖尿病・慢性腎臓病をお持ちの方は診察室血圧130/80未満(家庭血圧125/75未満)と設定されました。特筆すべきは、75歳以上はより厳しくなり、目標140/90未満とされ、併存疾患などによる降圧目標が130/80未満とされる場合は忍容性があればそれを目指すことになりました。

正常値といわれる中にも、「正常高値血圧」と設定された120~129/80未満をこえるすべての方は、生活習慣の是正が必要で、高リスクの正常高値血圧および高血圧の方は、生活習慣の是正を行い、必要に応じ降圧剤治療を開始することが推奨されました。

降圧目標

高血圧の種類?

高血圧は大きく2種類に分けることができます。ひとつは本態性高血圧、もうひとつは二次性高血圧です。二次性高血圧は、腎臓機能の低下やホルモンの異常、睡眠時無呼吸症候群や薬剤性など、「原因がある高血圧」で、これらの原因を解決・治療すると高血圧もよくなるものをいいます。本態性高血圧は二次性以外のもの、すなわち「ほかに原因がない高血圧」で、高血圧症の大半を占めます。

高血圧の家系というけれど?

食塩感受性高血圧、すなわち塩分を取ると著しく血圧の上昇する高血圧の家系です。現代のように簡単に食塩が手に入らず、照りつける太陽による発汗によって生命が脅かされた時代に、生き残った人類の進化の過程で身についた(ついてしまった?)血圧を維持するための遺伝子、こちらが解明されてきており、これが「高血圧の家系」といえるものといえます。食塩感受性高血圧は日本人では40~50%をしめるといわれています。
これとは別に、地域によっては塩蔵品など塩分高めの食品が多く作られ、家系というより「同じ釜の飯を食べる(=同じ食習慣)」が原因のこともあるようです。

検査・治療の進め方

初めて高血圧を指摘された場合、またはすでに高血圧治療をしているものの複数の内服薬でもコントロールが不良の場合、二次性高血圧を区別するための検査を行います。二次性が疑われる場合は、より詳しい検査をすすめ、原因を見つけ出し、その治療を行います。本態性の場合は、食事・運動などの生活習慣の見直しをアドバイスし、薬物治療を行います。

【行う検査】

  • 採血
  • 尿検査
  • 血管年齢
  • 頸動脈超音波検査
  • 心臓超音波検査
  • 腹部超音波検査
  • 心電図検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 睡眠時無呼吸症候群の検査

高血圧症 Q and A

Q1、まず体重を落とすよういわれたのだけど?

肥満と高血圧は密に関係しています。まず、肥満に関連するさまざまなホルモンの異常が高血圧を引き起こす可能性があるといわれています(インスリン抵抗性・レプチン)。また、肥満により内臓が圧迫され、全身に血液を送るのに、ポンプの役割を果たしている心臓に負担がかかることもあります。肥満と関連の深い「睡眠時無呼吸症候群」を併発されている場合には、なおのことです。

Q2、家とクリニックの血圧の差があるのだけど?

「白衣高血圧」という、交感神経の緊張により血圧が上昇する病態が存在します。それが疑われる場合には、ご自宅の血圧記録を拝見し、普段のコントロールがどうかを判断します。しかし、なかには測定器が古かったり、測定の仕方に問題があることもありますので、測定器をお持ちいただき、実測と比べてみることもあります。測定の時間が影響していることもあります。朝が高く、夕方に向けて低くなることが多いですが、中には逆や、一日を通して不変の方もおられます。ご自宅で朝夕の記録をしていただくことをご提案しています。逆に、診察室では良好な血圧なものの、ご自宅で高くなってしまう「仮面高血圧」が存在することも知られています。そのようなときは、1日の血圧の流れをみる24時間血圧計で計測しましょう。

Q3、では血圧はどのタイミングでどう測ったらよいか?

大体同じ条件で測れるのが望ましいため、朝は起床後トイレに行った後に1〜2分座位で安静後、朝食および服薬の前に。夜は寝る前がよいでしょう。左右差がないのを確認し、同じ条件で同じ姿勢と同じ腕(利き腕の反対)で測りましょう。飲酒後、入浴直後などは血圧に大きく差が出ることもあります。

大幅に血圧が変わった場合や普段と違う行動や精神状態であった場合、あるいは頭痛や肩こりなどの自覚症状がある場合は、しっかり手帳に記録し、主治医と相談してください。

Q4、更年期になってから血圧が高くなった気がする!?

十分にありえることです。更年期には男性・女性ホルモンいずれもが減少します(注:女性にも男性ホルモンが存在します)。女性ホルモンの減少に伴い、男性ホルモンの相対的な増加状態となり、これがレニン・アンギオテンシン系という血圧調節機構を活性化し、血圧上昇に働きかけます。また、女性ホルモン低下により、一酸化窒素という血管伸展物質が減少し、血管がかたくなり、同時に体液量がふえるため、かたいホースに水をたくさん流し込むイメージで、ホースの圧は上がってしまいます。以上のことから、更年期に入ると血圧が上がりやすくなります。

「脂質異常症」ってなに?

これまで使用されてきた「高脂血症」「高コレステロール血症」とほぼ同義です。血清の脂質が異常値を示すことをいいます。血中の脂肪分はいくつかのタイプに分けられ、正常では、下記となります。

  • LDL-コレステロールが140mg/dL未満
  • HDL-コレステロールが40mg/dL以上
  • トリグリセライド(中性脂肪)が150mg/dL未満

この3つの値のいずれかがこの範囲をこえた状態が、脂質異常症です。脂質異常症の治療を受けている総患者数は206万2,000人(厚生労働省調査・平成26年)といわれています。

脂質異常症は血管の病気と深い関わりがあり、特に「悪玉」といわれるLDLコレステロールを高いまま放置しておくことは、脳や心臓の病気(脳梗塞や心筋梗塞など)を引き起こす可能性が高くなり、よいこととはいえません。

脂質異常症の種類?

脂質異常症は異常値別に、大きく上記の3タイプに分けることができますが、重複することもよくあります。また、成因でみると、高血圧症と同様に、ほかに原因のない原発性脂質異常症と、甲状腺機能などのホルモン異常、膠原病や薬剤、ネフローゼという腎疾患などを原因とする二次性があります。さらに詳しく、上昇したリポ蛋白、アポリポ蛋白の種類の上昇のパターンから分類される(WHO分類・1~5型)こともあります。

コレステロールが高い家系というけれど?

実際に家系はありえます。「家族性高コレステロール血症」という病気は、遺伝子の変異によって起こる遺伝性の病気で、早期からLDLコレステロールが上昇するため、血管の病気を起こしやすいです。そのため、早い段階からしっかりとした治療介入が必要となります。皮膚や腱にLDL由来の黄色腫、また目には角膜輪という黒目の白い縁取りがみられるのが特徴です。

検査・治療の進め方

初めて脂質異常症を指摘された場合、またはすでに脂質異常症治療をしているものの複数の内服薬でもコントロールが不良の場合、二次性、原発性の分類や型の分類のための詳しい検査を行います。その後、食事・運動などの生活習慣の見直しをアドバイスし、薬物治療を行います。

【行う検査】

  • 採血
  • 尿検査
  • 血管年齢
  • 頸動脈超音波検査
  • 心臓超音波検査
  • 腹部超音波検査
  • 心電図検査
  • 胸部レントゲン検査

更年期障害

更年期とは、女性の一生のうちで、成熟期から老年期への移行過程で、卵巣機能が低下しはじめ、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減る時期をいいます。個人差はありますが、多くは50歳前後で閉経を迎えることから、45~55歳ぐらいまでがおおむね更年期にあたると考えられています。
この時期になりますと、ホルモンバランスの乱れから、さまざまな不調を自覚するようになります。これがいわゆる更年期障害です。

更年期障害の症状は?

症状には個人差がありますが、初期では、顔のほてりやのぼせ、冷え、発汗などの自律神経失調症状、不正出血、月経周期の異常、イライラや孤独感、集中力の低下や物忘れなどの精神神経症状、頭痛やめまいなどの症状がみられます。中期から後期にかけては、肩こりや腰痛、関節痛や尿漏れなどの筋骨格系の機能低下や、シワやシミ、たるみ、くすみなどの老化現象、頻尿や腟炎、性交痛、内科的疾患として女性ホルモンの低下による高血圧、脂質異常症を発症したり、骨粗しょう症をきたす場合もあります。

何科でみる疾患なの?

主に内科と婦人科でみます。乳腺や女性器系の検診やトラブルで婦人科におかかりの方は、そこで診てもらうこともあります。また、上記のような不定愁訴(なんとなく調子が悪い)や脂質異常、骨粗しょう症という内科的な診断結果から更年期を疑い、内科で検査・治療をすることも多くあります。

検査・治療の進め方

更年期障害が疑われた場合、まず女性ホルモン値や更年期障害に伴う内科的疾患の併存の有無など、下記の検査を行います。SMIという簡易更年期指数検査を随時行い、治療のフォローを行います。

【行う検査】

  • 採血
  • 尿検査
  • 血圧測定
  • 血管年齢
  • 頸動脈超音波検査
  • 骨密度検査
  • 簡易更年期指数(SMI)

簡易更年期指数で確かめてみよう!

症状
顔がほてる 10 6 3 0
汗をかきやすい 10 6 3 0
腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
息切れ、動悸がする 12 8 4 0
寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
怒りやすくイライラする 12 8 4 0
くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0
頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
疲れやすい 7 5 3 0
肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

合計して50点以上となる場合は、受診をご検討ください。ただし50点以下でもひとつの症状がきつく、治療が必要な場合がありますので、お気軽にご相談ください。以下にダウンロード用の問診票がありますので、受診時にお持ちいただけるとスムーズに診療がすすみますのでご活用ください。

※PDF形式の文書をご覧いただくには、Adobe® Acrobat Reader(無料)が必要です。
お持ちでない方はこちら(外部リンク)から入手できます。

簡易更年期指数
PDFダウンロード

治療はどんなものがあるの?

下記のような治療法があります。

  • ホルモン補充療法
  • 漢方薬による治療
  • プラセンタ療法

上記を単独、または組み合わせて使います。症状が軽い場合、漢方薬を処方します。漢方薬は、症状・体質に見合ったものを見立てて保険診療にて処方を行います。

ホルモン補充療法

1)エストロゲン剤(プレマリン錠、ジュリナ錠)とプロゲステロン剤(プロベラ錠など)の服用
閉経して5年以上経ち出血を望まない方
エストロゲン剤とプロゲステロン剤を連続して服用します。
はじめのころは不正出血があったりしますが、服用を続けているとやがて出血はなくなります。
閉経後5年以内か、出血があってもよい方
エストロゲン剤の連続服用にプロゲステロン剤の周期的な服用を付け加えます。最初エストロゲン剤単剤を飲み、1カ月の後半の10日から2週間ほどは、エストロゲン剤と一緒にプロゲステロン剤も飲みます。薬を飲み終えると出血があります。

2)エストロゲンとプロゲステロンの合剤
貼り薬(メノエイドコンビパッチ)
週に2回ほど貼り薬を下腹部に貼ります。皮膚から吸収されるタイプで、飲み薬と異なり肝臓に負担をかけないという利点があります。貼った場所の皮膚がかぶれるなどの副作用もあります。通常は生理のような出血はみられません。
皮膚がかぶれる傾向をお持ちの方
エストロゲンとプロゲステロンの入った錠剤(ウェールナラ配合錠)を連日服用する方法も行われます。

3)エストロゲンの単独使用(子宮を摘出された方)
エストロゲンのみを主として連続使用します。

  • 錠剤(プレマリン錠、ジュリナ錠、エストリール錠)
  • 貼り薬(エストラーナ、フェミエスト)
  • ジェル剤(ル・エストロジェル、ディビゲル)

4)低用量エストロゲンの使用
症状が軽かったり、短期間の使用を希望される方
あるいは腟炎、腟萎縮の予防

エストロゲン作用の弱いお薬が用いられます。

  • 飲み薬(エストリール錠、ホーリン錠)
  • 腟錠(エストリール腟錠、ホーリンV錠)

更年期障害 Q and A

Q1 プラセンタ療法は保険適用なの?自費なの?

美容目的にプラセンタを使用する場合(ほかの注射と合わせ2~3アンプルを使用するなどの場合)は自費となりますが、更年期障害と診断され、この治療目的に使用する場合には、1回あたり1アンプルに限り、保険適用となります。あくまで更年期障害の治療目的に使用するため、はじめは週2~3回通院していただくことになります。メルスモン皮下注射となります。

Q2 更年期にコレステロール高値になった気がする!?

十分にありえることです。女性ホルモン(エストロゲン)は血中の悪玉コレステロールを肝臓に取り込む受容体を増やす働きがあります。更年期以降エストロゲンが減少すると、この受容体も減少するため、血中の悪玉コレステロールが十分に回収されにくくなり、更年期前に比べ、約20%コレステロール値が上昇するといわれています。

睡眠時無呼吸症候群

一般的には、1日7時間の睡眠中に、10秒以上の無呼吸が30回以上起こるか、睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸が5回以上の場合をいいます。近年アメリカで行われた研究では、睡眠時無呼吸症候群の人は、正常な人に比べて2型糖尿病は2.29倍、高血圧症は2.14倍、心疾患は4.3倍、脳卒中に至っては3.51倍も発症リスクが高まるというデータ※があるほど生活習慣病と密接な関係があり、早期発見としっかりとした治療が望まれます。※OSASガイドブックのデータより引用

当院では、睡眠時無呼吸の疑いのある患者さんに、質問表とともに詳しい問診を含めた診察を行い、簡易睡眠検査(検査装置をお渡しし、ご自宅で一晩つけて寝ていただき、その結果を分析する検査)にて重症度を診断し、今後の治療方針につきアドバイスさせていただきます。

特に肥満ではない若い方の拡張期優位の高血圧(下の血圧が高い方)・高尿酸血症とSASの関連も示されており、SASの治療により、血圧、尿酸値が改善する症例も多く経験しています。当院では疑わしい方への検査をご案内していますので、健康診断などで指摘されたことがある、など心あたりのある方はお気軽にご相談ください。

自覚症状
昼間眠くなる・仕事に集中できない・夜中に何度も目が覚める
眠りが浅い・寝汗がひどい・口が渇く・起床時の頭重感・勃起不全

過去の診断
肥満・扁桃肥大・鼻中隔彎曲・小顎症・巨舌(→閉塞性SAS)
慢性心不全・脳血管障害(→中枢性SAS)

習慣
運動不足・喫煙・飲みすぎ

睡眠時無呼吸症候群の治療は?

肥満が原因の場合、減量することが改善に大きくつながることがあります。また、小児の場合は扁桃腫大に対し扁桃摘出をすることが根治につながることがありますが、成人の場合は原因の特定と根治が難しいことが多く、重症度により対症療法を行います。まず軽症の場合は、歯科にてマウスピース(スリープスプリント)を作製します。中等症以上の方の場合はCPAP(持続陽圧呼吸療法)の適応となります。

CPAPは、15~20cmくらいの大きさである機器本体と、設定した圧力で空気を送るチューブ、鼻にあてるマスクからなり、これを装着して睡眠に入ります。圧力の大きさは、常に一定の圧力を保つ場合と、無呼吸のときに合わせて自動的に圧が調整され送られるパターンに分かれます。重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおいて、CPAP治療を行った場合と、そうでない場合とを比較した研究によると、CPAP治療を行った患者さんの方が明らかに長生きできたなど、多くの研究によって睡眠時無呼吸症候群に対するCPAPの治療が証明されています。

気になるCPAPの治療費は!?

機器はレンタルとなりますので、機器購入費用はかかりません。
保険適用され、1カ月あたり約4,500円の治療費がかかります(3割負担の場合)。

通院頻度は?

基本的には月に1回の通院となります。通院頻度が月1回が難しい場合はご相談ください。

糖尿病と睡眠時無呼吸症候群

糖尿病患者さんの睡眠時無呼吸症候群合併率は約40%と推定されており、逆に睡眠時無呼吸症候群の方は糖尿病新規発症リスクを4倍に引き上げるともいわれています。(Am J Respir Crit Catr Med 2005;172:1590-1595)相互に関連の深い疾患ですので、いずれも疾患の早期発見と治療介入が大切です。

高尿酸血症と睡眠時無呼吸症候群

SASによる低酸素状態→再酸素化の過程により尿酸産生が亢進することから、尿酸値とSASとの深い関連があることがわかってきています。飲酒歴や腎疾患、生活習慣病のない方で尿酸値が高い方は、SASの可能性を疑うことも大切です。

腎臓病・尿検査異常

膀胱炎・腎盂炎

ストレスや疲れがたまり、免疫力が落ちる季節がわりや年度がわりに起こりやすい膀胱炎。以下のいずれかの症状があれば膀胱炎を疑います。①頻尿②残尿感③排尿時痛④血尿⑤膿尿(白いどろっとした尿)

女性は尿道が短く、肛門と尿道が近いという構造上の面から、膀胱炎にかかりやすく、繰り返す方も多くみられます。尿意をがまんしたり、性行為、月経が発症の原因となることもあります。尿の検査を行い、治療を開始しますと3~5日ほどで落ち着きます。

腎盂腎炎は、膀胱の菌が尿の通路(尿管)を逆行し、腎盂という腎臓の出口や腎臓で炎症が起こった状態をいいます。発熱や背中の痛み、吐き気を伴うこともあり、重症の場合は1週間程度の入院加療を要することもあります。女性の長引く38~40度の高熱で、熱源が不明の場合、腎盂腎炎であることが多い印象です。

むくみ・尿検査異常・高血圧・腎不全・糖尿病

あらたな国民病として注目されている慢性腎臓病=CKD(chronic kidney disease)は、心臓病や血管の病気と関連が深く、現在の医療では完全に正常の状態に戻すことが困難とされています。従って早期に発見し、それ以上に腎機能を悪化させない予防治療が非常に大切です。健診で蛋白尿や血尿、腎機能異常を指摘された方はお気軽にご相談ください。高血圧症と診断を受けて治療をなさっている方も、コントロールが不良な場合、腎機能障害が原因であったり、高血圧が原因で腎機能障害に陥ることもあります。高血圧の原因検索(原発性・二次性)や高血圧治療のご相談も承ります。

また、慢性腎臓病・腎炎と診断されている方の定期診察も可能です。血液検査、尿検査を行い、内服の調整を行います。

我が国においては30万人を上回る透析患者さんがいます(2019年日本透析医学会統計調査委員会のデータより)が、その原因の1位は糖尿病の合併症である糖尿病性腎症です。糖尿病の罹患期間が長く、コントロールが良好といえない状態が継続すると、腎不全が進行し、透析が必要となってしまうことがありますので、しっかりと糖尿病をコントロールし、腎臓合併症が出てこないかを見張っていきましょう。

透析療法選択外来・腎移植相談

腎機能障害・腎不全は、障害の程度によって5つのステージに分類されます。ステージがすすむと、倦怠感や食欲不振などの尿毒症という症状が出現し、むくみが強くなったりし、通常の生活を行うことが難しくなってきます。そのころには私たち腎臓内科の医師は、今後の腎臓の機能を補完する治療を提案してゆきますが、透析(①血液・②腹膜)と③腎移植のおおまかに3種類の治療法からライフスタイルや体力、年齢を考慮し選択をしていただくことになります。

ご不安な点が多い中で、どのような選択をしたらわからない、意見を聞いてみたいという方はお気軽にご相談ください。

蛋白尿によるデータ

禁煙外来

タバコの煙には、4,000種類以上もの化学物質が含まれています。そのうち、発がん性物質は、70種類(日本循環器学会 禁煙推進委員会より引用)にもおよび、肺がんの原因のひとつであることは明確ですが、さらには動脈硬化・高血圧・脳卒中・心筋梗塞・ぜんそく・慢性閉塞性肺疾患・胃潰瘍・バセドウ病・うつ病・勃起不全などの多彩な病気の発症を増やす原因とも考えられています。

やめたらいいことは、わかってはいるが、実際やめられないーこの原因は精神力の弱さではありません。タバコを吸うと、ニコチンが肺から血液を介し脳に到達し、快感物質であるドパミンが放出され、タバコ→快楽のスパイラルとなり、(これをニコチン依存症の状態であるといいます)やめられないのです。

禁煙補助薬には貼り薬とニコチンを含まない飲み薬等があります。“ニコチンを含まない飲み薬”は、ニコチン切れ症状を軽くするだけでなく、タバコをおいしいと感じにくくする作用を併せ持ちます。

禁煙外来の概要ですが、保険診療の場合、全部で12週間、初診を含めて計5回の診察となります。禁煙治療は、処方される薬にもよりますが(自己負担3割として)20,000円程度です。1日1箱喫煙する方なら、12週間分のタバコ代より保険診療で禁煙治療を受けた場合の自己負担額のほうが安くなる計算になります。

新しい禁煙治療:アプリで禁煙!

禁煙治療にはこれまで医師が処方する医薬品として飲み薬や貼り薬がありましたが、治療法としてニコチン依存症治療アプリの「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」が追加されました。

一般的にスマートフォンで利用されているヘルスケアアプリとは異なり、禁煙外来で医師の診断のもと処方され、患者さんにご使用いただく医療機器です。患者さんの側にあるスマートフォンの特性をいかし、在宅や勤務中など医療者の介入が難しい「治療空白」期間をアプリが支援することで、禁煙継続率が向上します。また、アプリへの入力内容から前回の診察以降の患者さんの日常の様子を医師が詳細に把握することできるため、より効率的な禁煙治療を可能にします。

禁煙治療アプリのしくみ

医師の診察を受けた際に処方され、その後、利用開始するために患者さん自身のスマートフォンに患者アプリをインストールし、医療機関で初期設定を行います。後日、COチェッカーがご指定のお届け先住所へ届きますので、同封されている取扱説明書に従い、利用を開始します。

どうしたら使えるの?

治療アプリ®は保険適用のため、治療費用はご自身の負担割合に応じてご負担いただきます。CureApp SCを含めた禁煙治療は診察などを含めて3割負担の場合、27,000円ほどとなります。タバコを1日1箱500円で喫煙を続ける場合にかかる費用は年間182,500円になり、さらに毎年継続的に費用がかかることを考えると経済的メリットは大きいです。ぜひ当院で治療アプリ®を活用した禁煙治療を頑張っていきましょう!

Dr.浜口外来(月・水終日、火曜午前)にて処方可能です。